最近、歯周病とか歯周炎、歯肉炎や歯槽膿漏などといった言葉が頻繁に使われるようになりました。これらの言葉は専門家にこそわかりますが、そうでなければ厳密な違いはわかりにくいと思います。ここではその違いを明らかにしたいとおもいます。
歯周病とは、歯周組織に発生する炎症性病変の総称です。歯周組織には歯肉、歯根膜、歯槽骨などがありますが、これらのうち代表的なもの歯肉炎と歯周炎です。歯周炎とは炎症が歯肉の下にある歯槽骨にまで及んだ場合をいいます。詳しくはまた後で述べたいと思います。
歯槽膿漏とは歯を入れる槽(ふね=いれものという意味)から膿があふれ出してくるという症状の一部分を示す名称であり、古くから用いられていました。しかし、20世紀に入り欧米で病名としては不適切であると指摘され用いられなくなり、我が国でも1970年ごろより学術的用語としては用いられなくなりました。

歯周病の始まりは、まず歯肉炎です。
歯磨きをせず、一定時間歯肉がプラークにさらされた状態になると歯肉炎が発生します。歯肉炎とは歯肉の発赤、腫脹、出血が主症状であり、このうちどれかひとつでも満たせば歯肉炎といえます。プラークは歯面にしっかり付着しているため、食べかすとは違ってうがいぐらいではとてもとれません。
歯周炎は歯肉炎を放置しておくことでプラークのなかの細菌が繁殖し、その下の組織(歯根膜、歯槽骨)が炎症をおこしている状態です。これらが炎症を起こすとその炎症によって損失されます。この損失が進行すると歯を支えることができなくなり、歯の動揺をきたしたり、移動して歯列不正(歯並びが悪くなること)の原因となったりし、最終的には歯は老けてしまいます。